パパイヤ研究発表記事
米フロリダ大学(University of Florida)は、パパイアの葉のエキスに著しい抗がん特性を認めたとする研究結果を発表した。頸部がん、乳がん、肝臓がん、肺がん、膵臓がんで抗がん効果が確認されたという。同大のナム・タン研究員(Nam Dang)と日本チームの研究員は、乾燥したパパイアの葉から抽出したエキスで、10種類のがん細胞に垂らし、24時間後に効果を調べた。その結果、すべての腫瘍の進行が遅くなっていたことが分かった。また、パパイアエキスの濃度が高いほど効果が高いことも明らかになった。研究員らは、パパイア葉エキスが、Th1型サイトカインと呼ばれるシナリング分子の生産を促すことで免疫系の調整を助けているためではないかと見ている。また、このエキスは、正常細胞には危害を加えず、現行のがん治療の副作用を軽減することも分かったことにより、免疫系に働きかけるがん治療法への応用が期待される。パパイアエキスに関しては、多くの発表があり世界各地、特にアジアでは様々な民間療法に使用されてきた。詳しい研究内容は、医学誌『Journal of Ethnopharmacology』(民族薬理学)2月号に掲載されている。
パパイアに含まれ、腰痛の『パパイア療法』で知られる酵素に、白血病細胞を死なせる働きが有る事が京都大学医学部第一内科(大熊稔教授)の研究で分かり、3日から京都市で始まる日本癌学会で発表される。正常細胞への影響は殆どなく副作用の少ない抗がん剤開発の可能性が有りそうだ。
同研究グループ、吉田彌太郎講師(血液学)、研究生の川端浩さんらは、オタマジャクシのしっぽが自然に消えるなど、不要になった細胞が自滅する『アポトーシス』と言うしくみに着目、これを誘導する物質を調べるうち、パパイヤの乳液から抽出したタンパク質分解酵素、キモパパインの効果が高い事に気付いた。キモパパインは、プロゴルファーの岡本綾子さんが腰痛治療に使い有名になった。
骨髄性白血病の細胞株にキモパパインを大量添加、白血病細胞の変化を追跡した。まもなくアポトーシスが始まり、1時間後には、約60%の白血病細胞が死に、6時間後では、約90%の白血病細胞が死滅した。
血液中の正常細胞に対する影響も調べたが、12時間後にアポトーシスをした細胞は殆ど無かった。
パパイアの種などに含まれる成分に、大腸がんの増殖を抑えるタンパク質の働きを高める機能があることを岡山大と鹿児島大のチームが突き止め、20日までに発表した。治療や予防に有効な薬剤の開発に役立つとしている。
岡山大の中村宜督教授によると、大腸がんは大腸の細胞にタンパク質が過剰に蓄積することで、細胞を増殖させる遺伝子の働きが活発化し、がんの増殖が進む。
チームは、大腸がんの増殖を抑制する中心的な役割を担うタンパク質に注目。
パパイアの種やキャベツ、クレソンの一部に含まれる食品成分「ベンジルイソチオシアネート(BITC)」を人の大腸がん細胞に加えると、がん抑制タンパク質が、がんを増やす、過剰蓄積したタンパク質に結合し、がん増殖遺伝子の働きを邪魔した。その結果、がんの増殖も抑えられた。
BITCはすりつぶすことで効果が出るが、大量に摂取すると体に悪影響が出るという。
中村教授は「自然界の成分から安全性の高い抗がん剤を開発できる可能性がある。作用は弱いかもしれないが、安心して使用できる薬になることが期待できる」と話す。
成果は英オンライン科学誌に掲載された。〔共同〕
NASH(ナッシュ)と呼ばれる非アルコール性脂肪肝炎は成人の30%を占め、発症すると10年間で20%が肝硬変や肝臓がんに至る重大病だ。このたび、日本の医師が発見した最新情報が世界的医学雑誌「Scientific Reports」に発表され注目を集めている。研究を行った横浜市立大学付属病院肝胆膵消化器病学・結束貴臣医師(写真)に聞いた。
島根大学医学部薬理学・和田孝一郎教授との共同研究で、結束医師が中島淳主任教授と突き止めたのは、「レスベラトロールが、NASHの『肝硬変や肝臓がんに至る前段階』を食い止める」ということだ。レスベラトロールは、ポリフェノールの一種で、ブドウの茎や皮などの抽出エキスに含まれている。
https://hc.nikkan-gendai.com/articles/178214
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